青葉台駅伝言板

考えをまとめるための日記。頭を整理するごとに書き換えてしまうので、そんなつもりで優しく見てくーださぃ

雑感(プロジェクトとステークホルダー)

唐突ですが、プロジェクトを完成する秘訣は、ステークホルダーの範囲を正しく捉えて、すべての関係者との折り合いをきちんと付けることだと思う。決められたことを納期だけで一人だけでやらされている感から、PMがプロジェクトに関する誤解や、しんどいのでプロジェクトの範囲の矮小化が起きやすい。矮小化されたプロジェクト範囲の外での出来事は理解されにくいから、プロジェクトの失敗に繋がりやすい。

 

 まずはプロジェクトの言葉の定義から考える。まずは、ある製品のサイトに出ていたもの、後者はPMBOKの解説書から引用。

 

  • <プロジェクトの定義>*1
    • 複数の業務の集合によって1つの目標を達成する
    • 目標の規模が小さくても、大きくても構わない
    • 人間の手によって遂行されるものである
    • 社内だけでなく、他社と協力して遂行することが多い
    • 目標達成までの期限が決まっている
    • スタート地点とゴール地点が必ずある
    • 中間地点を管理し、進捗状況を確認する
    • ほとんどの場合集団で取り組むものである

 

  • PMBOKでのプロジェクトの定義から*2、以下の8つのマネジメント項目と、それを統合的に管理する“統合マネジメント”の9つの知識エリアで構成される。
    1.スコープ(開発の目的とその範囲)
    2.タイムスケジュール
    3.コスト管理
    4.品質管理
    5.人的リソースの管理(顧客、開発サイド含む)
    6.コミュニケーション(コミュニケーションの方法と適用シーンの決定)
    7.リスク管理
    8.調達管理

 

 かつて、自分が取り組んだプロジェクトでは、ステークホルダーの協力を得ることに苦労したものが多い。一例でいうと

  • 脆弱性を作り込んだ当事者が、自分がなにか関わっているなんて理解もしていない(キーパーソンがステークホルダーの一員としての理解がない、例えばルータ等、IoT機器のパスワードをかけるべきところ、かけてない人とか。初期パスワードを"password"とかにして製品をばらまく製品会社、SIer
  • 経理部門向けのシステム再構築なんだけど、部署の本来業務が忙しすぎて、システムの要件だしをする利用者部門の要件のまとめ役がいなかった。(突き詰めると、プロジェクトのオーナーの不在)

 

となると、ステークホルダーの意味は、どう定義されているかな。*3

  • ステークホルダーとは企業活動を行う際に影響を受ける「利害関係者」全般を指す言葉になります。組織形態は様々で、企業のみではなく、団体や行政においても使用されます。
  • 例えば代表的なステークホルダーとは企業において「株主」や「顧客」、「従業員」などが浮かぶと思います。しかし、ステークホルダーの範囲はそれだけではありません。ここで注目する点としては、ステークホルダーとは社内外に存在しているということになります。
  • さらに、注意しなければならないことは、「利害関係者」とは必ずしも利害の一致を指す訳ではありません。具体的な例としては、A社という企業が利益を上げることによりB社という競合企業は逆に損失をこうむる場合もあります。つまり、利益においても、損失においても、何かしらの影響を受ける場合にはステークホルダーになるということです。
  • こうしたステークホルダーの中において「株主」に関しては特別に「ストックホルダー」や「シェアホルダー」と呼びます。「ストックホルダー」とは単に株を保有しているだけの方を表す言葉で、「シェアホルダー」は株主総会などで議決権を持つ大株主のことを表します。

 間違いではないのかもしれないけど、きちんとステークホルダーを特定するという問題意識に対しては、もはやすれ違い答弁的な感じがする。

 例えば、企業の活動に関するステークホルダーに株主や従業員、連携企業などが含まれることは言うまでもない。ただし、プロジェクトが広範な影響を与える場合には、ステークホルダーの心理や意思決定に影響を与えるものも、1次、2次の違いはあるかもしれないが、ステークホルダーであることは否めない。

 大きいプロジェクトも小さなプロジェクトのどちらでも、すべてのステークホルダーに耳障り良いプロジェクトはない。(全員に耳障りが良ければ、ある意味、ほっといてもそうなる)

 

となると、プロジェクトの成否に一番影響しそうなのは、コミュニケーション力と調整力に収斂できそう。

例えば、毎年10%ずつコスト削減をするプロジェクトに、SIerの方々にも協力をいただいた。SIerのPMのヒトには、「自社の売上を下げるプロジェクトに協力するなんて、馬鹿ですよね」と自虐いただいたが、本当に協力いただいた。

 こちらも、そのプロジェクトでは売上は下がるけど、本来コスト削減ができれば、他のプロジェクト、他の顧客に対するSIerの競争力は増す。なので、SIerの応援もさせていただいた。

持ちつ持たれつ、という表現は、悪く捉えられることもあるが、緊張感のある持ちつ持たれつは、ステークホルダー全体のWin-Winを目指せる数少ない道ではないかと思う。