以前、PMOとなったヒトから、相談を受けたことを書いた。記事を読み返していて、相手に確認すべき大きな観点が一つ抜けていたことに気がついた。
- PMOはPMを助けるだけの組織だったのか
- PMOは会社の統合基盤運用をうまく行かせるためにPMを助ける組織だったのか
そもそもPMOの用語の定義ってどうなっているんだっけとぐぐって見ると、なんと一般社団法人 PMO協会なるものがあって、その中でPMOの説明*1がある。この協会の幹部を見ていると、根っこは企業向けの研修やさんかな。
で、その中で、PMOの役割は、以下のとおりだとまとめている。
- プロジェクトマネジメント方式の標準化
- プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発
- プロジェクトマネジメント業務の支援
- プロジェクト間のリソースやコストの各種調整
- 個別企業に適応したプロジェクト環境の整備
- その他付随するプロジェクト関連管理業務
うーん、これだとPMとPMOがどのように接すればいいか、分からないな。
実は統合基盤運用のミッションをPMOに持たせると、PMOとPMの関わり方がわかりやすくなる。
PMOは統合基盤を安定させ、事業を維持する環境の安定を目指したい
→ 障害も、サイバー攻撃も起こしたくない。リスクは極力排除したい。
→ (もちろん、本来業務として、不要の費用出費なども避けたい)
とすると、PMOは事業全体に関する統合基盤全体のリスクを俯瞰して見ないといけなくなるので、その基盤にリスクを与えるものに対して原因を探り、その原因を削除するか、削除出来ないまでもそのリスクを最小限に影響を抑制したくなる。
前述のPMO相談氏も、「PMが未成熟だから」と相談して「(PMOはPMを)どう助けるんですか?」と確認して一喝してしまったが、PMOが全体俯瞰の数字を抑えているとすればPMの未成熟も十分にリスク要因になりうる。
ただし、PMの人材育成もPMOの役割の1つだから、単に未成熟を憂いているだけではだめで、有識者を入れるのか、フレームを見直すのかなど、PMOとして出来ることをまず考えないといけないことには変わりがない。
この関係、PMOという言葉を使っているけど、小さいグループ会社を束ねたようなHD(ホールディングカンパニー)にも、似たようなシチュエーションが起こりそうである。同じ企業の中に入っていれば(いなくても)PMO、事業会社を束ねる役割で考えるとするHD。PMO≠HDなんだけど、共通のミッションはあるように思う。